コンシューマーゲーム業界新卒就活体験記(ゲーム開発経験無し) – ES/筆記/面接対策 –

人生

こんにちは。ざわかける!のざわ(@zw_kakeru)です。
今日はコンシューマゲーム業界の新卒就活について、自身の経験をメインに書いていきます。

私はゲーム開発経験ゼロで2022年新卒・ゲームプログラマー枠として3社にエントリーし、うち2社から内定をいただくことができました。
この新卒就活経験についての記事を書いていきますので、就活生の皆さんは参考にしてもらえたらいいのではないかと思います。
と言いつつも、具体的な社名を書くとどこかしらから怒られる可能性があるので、随所随所をぼかしつつ記述していこうと思います。

今回はES/筆記/面接対策編としています。
要するにエントリーから内定までに「本番」(筆記試験中、面接中)以外の時間でやったことですね。
とは言ってもESに関しては特に語るべきようなことは実施しておらず、筆記試験においては一ミリも対策をしてないので書くことがありません。
よって面接対策メインで話を進めていくことになるかと思いますが、よろしくお願いします。

はじめに

まず初めに言っておかなければならないのですが、2022年新卒枠と書いた私の就活体勢は一般的な大学生の就活とは少し異なります。

その辺りを含めた詳細(私のスペック、エントリーした企業等)はこの就活体験記シリーズの一番最初の記事「はじめに編」をお読みください。

前提が少し違うので学生の皆さんの直接の参考にはならない部分もあるかもしれませんがご容赦ください。
今回はこの「はじめに編」を踏まえた上で、実際の就活の様子、大まかな流れについて述べていきたいと思います。
詳しい面接の詳細などはまた別の記事にしようかなと思っています(余裕があれば)。
それではいきましょう。

会社説明会でやったこと

2021年3月1日に各企業新卒就活の説明会が解禁されて、私も色々な企業の説明会に参加してみました。
全てWeb上で参加し、合同説明会などに出向いたりはしませんでした。

その説明会でやったことですが、特に何もしていません。メモすら取りませんでした。
私の場合は出席する説明会自体が少なかったのもあり、いちいちメモしなくても内容を頭に入れておける量だったので特に何もせず、ボーっと眺めているだけでした。
説明会もおおよその内容は公式ホームページを確認したら分かることなので、面白いなあと思いながら眺めれば十分でしょう。
その人の性格などによるかと思いますが。
以上です。

ES対策でやったこと

ESも、対策らしい対策は特に何もしていません。
そもそもESは基本的に提出期限まで十分な時間があるので、じっくり文章を考えて考えて、自分のことが最高に語れる文章、文言を作成するだけです。
人に見せたりもしませんでした。
どうせ正解は無いのですし、見せた人の感想を無駄にESに反映させるのが嫌だったからというのが理由の一つです。
もう一つは、私は論文執筆経験もあって自分の文章力と論理的思考力に多少自信があり、自分の中の考えを的確に伝える文章の書き方を理解していたためです。

…というのは建前で、実際はぼっちだったせいで見せるような友人、知人がいなかったからです。ぴえん。
特に私は学生でもなかったので、完全に一人で就活をしていましからね。
余談ですが、何やかんやあって4月下旬くらいに就活仲間(大学生)が一人でき、以降はその人と連絡を取りながら一緒に頑張りました。
(と言ってもお互い励ます&情報交換程度で、やっぱりESを見せたりはしませんでしたが。)

筆記対策でやったこと

筆記試験に関して、受ける際の事前対策としてやったことは何一つありません。
本当に一ミリも対策をしませんでした。
私が受けた3社は3社ともWebでの筆記試験が課されていましたが、全てぶっつけ本番で受けました。

本当に何もしていないので無責任なことは言えませんが、ある程度のレベルの大学に入学できるくらいの数学力・英語力・現代文力を有しており、入学後の数年間も普通に勉強をしていればこの筆記対策に時間を使わなくてもいいんじゃないかなあと思います。
そんな時間があったらESを書くなり面接の準備をするなりといったことに時間を費やした方が圧倒的に内定に近づくんじゃないんですかね。知りませんけど。
(私は結果として2社は内定、1社は最終面接までいくことが出来たので筆記試験の結果で落とされたわけではないんじゃないかなあと思っています。)
ESや面接で語りたいことが山のようにあったので、とてもじゃないけど筆記試験の勉強をしている時間がなかったというのもありますね。

偏見ですが、面接で話すこと、ESに書くことが定まっていない(あるいは無い)人ほどこの筆記対策に時間を使っているように感じています。
筆記試験は対策すればすぐに点数が上がり、目に見えて内定に近づいてくように感じます。
そして面接やESと違って明確に正解があるので、ゴールが見えやすくついついそこに向かって進んでいきたくなるものです。
気持ちはめちゃめちゃ分かるのですが、就活の本質はそこではありません。
企業側も「筆記対策を十分にやってるな、よし採用!」とは思わないんですよね。
筆記対策はほどほどにしてそれよりも面接で話す内容、自分の思いを短時間で的確に伝えられるようにすることに時間を費やすべきです。

作品提出でやったこと

企業によっては、自分がこれまでに作成したプログラミング作品を提出せよ、と言われることがあります。
これに関しては、自分の作品がある人は積極的に提出していけばいいと思います。
研究で使っているものや過去に片手間で作ったものでも十分ですし、プロダクトとして世に出していればもっと評価は高いでしょう。

作品提出のハードルを超えられない人は多数いるので、自信を持って人に見せられる作品があるだけでライバルが大幅に減ります。

ゲーム作品が望ましいのでしょうが、私はゲーム開発をしたことがなかったので代わりにリリース済みのiOSアプリを提出しました。
iOSアプリ自体は何個か作成してストア公開しており、当たり前ですがその中でも一番時間をかけて丁寧に作った自信作で、一定の市場シェアも獲得できているものを出しました。

面接対策でやったこと

以上、対策としては特に何もやっていないという結論ばかりでしたが、ここからが今回のメインです。
私の就活は面接対策に全振りされていました。
書類選考の通知を受けて面接の日程が決まってから、実際の面接日までに私がやったことを述べていきます。

決算報告の確認 (やらなくて良かった)

面接を受ける各企業の決算報告を(HP上で公開されている企業だけ)確認しました。
私の場合は知り合いに銀行員の方がいたので、その人に見てもらって各企業の企業戦略や業績、強みや弱みの分析を手伝ってもらいました。
面接での時事ネタや、企業研究の努力が見せられたらいいかなと思って実施したのですが、ぶっちゃけこれはやらなくて良かったです。
経済学の知識が皆無なのでそもそも付け焼き刃にしかなりませんし、総合職ならともかく技術職でこんな話にはなりません。
実際、何度も面接を受けましたがその全てを通して決算報告関連の話は一度たりともしませんでした。
正直時間の無駄だったなあと思います。

チートシートの作成と暗記

面接での受け答えのための一問一答チートシートを作成しました。

面接での質問というのは大体決まっていてどの企業も同じようなことを聞いてくるので、「この質問がきたらこう答える、この質問がきたらこう答える」という内容を順番にメモしていきます。
聞かれそうな質問をざっと50問ほど考え、それら全てに自分で答えていきます。

テキストでの回答が出揃ったら、全ての質問に完璧に答えれれるように暗記し、練習しました。文字数にして全部で18000文字ほどになりましたね。
実際には内容の重複もありますし、一字一句間違えてはいけないわけではないので、雰囲気で「この質問にはこの内容を答える」というイメージをメインにしつつ、自分の中でアピールしたい言い回しをスラスラ言えるようにひたすら家で一人で練習しました。
例えば次のような質問です。

## 他社の選考状況を教えてください、うちは第一志望ですか
## 自己紹介と志望動機をお願いします
## なぜうちの会社に入りたいのですか
## なぜうちが第一志望なのですか
## うちの会社に入って何がしたいのですか
## そのように考えるようになったエピソードや人生経験を教えてください
## 配属などで希望が叶わなかった時どうしますか
## うちの会社で合わなさそうなところはありますか
## 学生時代の研究について教えてください
## あなたがその学部を選んだ理由を教えてください
## あなたがその研究を選んだ理由を教えてください
## 入社してからどんなキャリアプランを歩みたいですか
## うちで生かせそうなあなたの強みを教えてください
## 反対に弱みを教えてください
## うちのゲームをプレイしたことはありますか。具体的にタイトル名を教えてください
## 好きなゲームを教えてください & あなたが改善したいなと思う箇所を教えてください
## 嫌いなゲームを教えてください & あなたが改善したいなと思う箇所を教えてください
## 技術的にすごいなと感じた部分はどこですか
## ゲーム業界はこの先どうなっていくと思いますか
## 学生時代に最も力を入れたことを教えてください
## 自己PRをしてください
## 就活の軸はなんですか
## 休みの日には何をやっていますか
## なぜゲーム業界なのですか
## 自作アプリを作るときに最も頑張ったところはどこですか
## 実際にどのくらい他者からフィードバックを受けましたか
## 技術的に難しかったのはどこですか
## 問題点はどこですか、どうやって改善しますか
## 開発環境はどんなものですか
## 自分でゲームを作ってはいないんですか
## どんな開発をして、どんな感想を抱きましたか
## あなたからうちに質問したいことはありますか

ここに挙げたのが全てではありませんが、このような想定質問を用意してどんどん答えを考えていきます。
1つの質問に対して大体30秒から1分くらいで回答できる理想的な答えをメモしていき、最終的には何も見なくてもスラスラ言えるようにします。
上の質問全てに淀みなく自信を持って答えることができれば、基本的にはどこの企業の面接を受けても対応可能だと思います。
実際、私が受けた面接では想定外の質問は一つもありませんでした。
(私は第二新卒だったので、これらに加えて新卒で入社した会社、およびこの2年間の社会人生活についての想定質問も用意していました。)
仮に想定外の質問が来ても、これだけ準備をしていれば似た内容の回答があるはずなので、冷静にそちらに繋げていけば問題ありません。
私は口が勝手に答えるくらいまでに練習していたので、本番中は質問に答えながら面接官の反応を見て、刺さりが良さそうな内容の話、言い回しに変えていくようにしていました。
ここまでできるようになっていればかなり仕上がっていると言えるでしょう。

あと、ESでもそうですが、嘘をつくのはやめましょう。
そんなに一生懸命ではなかったことをさも一生懸命やっていたかのように話す様子は面接官には結構白々しく映ります。
基本的に皆さん、遊ぶお金のためにバイトをしていただけでしょう。
「売上を伸ばすために」とか「生徒の成績を上げるために」とか、実際そこまで本気で頑張っていなかったでしょう。
本気で頑張っていたなら捻り出す必要もなく「あれもやった、これもやった」と話したい内容が頭に浮かんでくるし、説得力を持って人に話せるはずです。
何を話そうか、必死に捻り出そうとしている時点でその話に価値はありません。
他人に誇れるような過去がないのであれば、それがあなたの実力なのです。
大学時代に何も頑張っていない人がかなり多いですが、きちんと自分で意思を持って積み上げてきている人もまた多くいます。企業側はそういう人を探しています。
人事はプロなので嘘はすぐバレますし、そうすると余計にあなたの評価は落ちてしまいます。
嘘をつかずに等身大のあなたで、それでも御社に入りたいんだ、と伝えることこそが大事なのだと思います。
(ちなみに私は体育会の部活に所属していたので、面接ではその話を無限にしていました。)

模擬面接

初めて面接を受ける(すなわち一社目の一次面接の)一週間ほど前に、Zoomで一度だけ模擬面接をしました。
現職のゲームプログラマーの知り合いがいたので、その人に連絡して模擬面接を実施してもらいました。

相手方も忙しい中わざわざ時間を作ってくださっているので、貴重な練習を無駄には出来ません。
そのためあらかじめ前述の質問リストを渡しておき、「話の流れに沿いつつ、このリストの中から好きな質問をしてください、もちろんリストに書かれていない質問でも大丈夫です」とお伝えして実施してもらいました。
基本的にリストに質問が網羅されているので、自分に自信をつけることと、現職のゲームプログラマーから見て(あるいは社会人として)「その回答はあんまり良くない」というフィードバックを受けることを目的としていました。

やはり練習しておくことはかなり重要でした。大変有意義な時間でした。
その人が勤めている企業にはエントリーしなかったのですが、終了後に「私が採用担当だったら通します笑」と言われて自信が付いたのを覚えています。

面接後

実際の面接がどのような感じだったのかは別記事で詳しくお話しする予定なので、最後に面接終了後の行動について記述します。

毎回の面接終了直後に、面接内容を事細かにメモしました。
何月何日の何時何分から何時何分までの何分間の実施で、面接官は何人、うち人事が何人、技術者が何人、役員が何人(私は後で思い出しやすいよう、知り合いの誰々に似てる、までメモしていました)。
開始してまず誰に何を聞かれてなんと答えた、それに対するリアクションはどうだったか、それを見て自分は何と発言したか、、、というように、面接で起こったこと、聞かれたこと、頭の中で考えたことを時系列順に全て書き出します。
そして最後に現時点での感想と手応えを書いて終了です。

これ、抜群に効果があります。
次回以降の面接に生かすことができますし、自分の振り返りとしても貴重です。
面接終了直後が一番記憶も鮮明、かつアドレナリンが出ている状態なのでその勢いのまま一気に書いちゃいましょう。
翌日など回してしまうとめんどくさくなって結局書かない上に、細かい部分の感触はすぐに忘れてしまいます。
絶対に書き留めておきましょう。

面接終了0秒後、Zoomを切断した瞬間に作業を開始します。
面接がうまくいってもうまくいかなくてもこの作業は行ってください。
特に、うまくいかなかった時は気分が沈んで何もやる気が起きなくなるかもしれません(私も一回だけありました笑)が、そんなことを考える暇すらないスピードですぐにメモします。
(上手くいかなかったなら「上手くいかなかった」と文字で書くことで少しスッキリもしますし。)
私の場合は特に、面接の回数が他の就活生と比較しても少ないので、一回の面接で可能な限りの経験値を吸い尽くす必要があったためこのような方法を取りました。

それから、このように事細かに面接を振り返ろうと思うと、面接自体はそこそこ余裕がある状態で臨まなければなりません。
すなわち、前の章で述べたような面接に対する周到な準備が必要になります。
緊張しすぎて何を聞かれたのか全然覚えていない、というようでは事前の準備不足です。
本番が一番成長できる機会なのでしっかり準備するのはもちろんのこと、振り返りも必ず行いましょう。

おわりに

以上が、私が本番(筆記試験中/面接中)以外の時間で行ったこと全てです。
(厳密にはもう少しだけありますが。)
何か他に思い出したら追記、もしくは別記事にまとめようと思うので今回はここまでです。

結局、後悔しないためにも「これだけ準備したのだから大丈夫だ」「もうこれ以上準備できない、最高に準備した」「これで落ちたらもう無理だ」と言えるようになるのが大事なのではないのかなと思います。
あと、就活中はどうしても目の前の面接にいっぱいいっぱいになりがちですが、ある程度仕上がってくるとだんだんとその先が見えてきます。
そして「内定がゴールじゃない、入社してから何しよう」と自然と考えられるようになります。
私はその精神状態になれるまで徹底的に準備しました。
それでも1社落ちましたけど…笑

ある人は言いました、「全力で取り組むのは、ダメだった時にスパッと諦められるようにするためなのだ」と。
余力を残してやっていて、(もっと準備できるな〜)という自覚があるままに本番を迎えた結果落ちてしまったら、後で絶対に後悔します。

個別に相談がある方、もっと詳しい話が聞きたい(学歴、開発能力、ガクチカなど)方は私のTwitterアカウントまでダイレクトメッセージでご連絡ください。
(これ以上ここに書くと特定が怖いので。笑)

次回は実際の面接体験記を書いていこうと思います。
面接体験記を書きました!

以上です。

タイトルとURLをコピーしました