超大手IT企業を新卒2年目で転職しようと思い立った理由

人生

こんにちは。ざわかける!のざわ(@zw_kakeru)です。

先日別の記事でお伝えしたように私は日系超大手IT企業に新卒入社し、2年目が終わったタイミングで退職して別の会社で働くことに決めました。
今回は私がそのような行動に至った理由について記述していきます。
ほぼほぼ大企業(今の会社)に対する愚痴です。

転職理由は大きく三つあります。
日系大手IT企業の実態を(私目線で)つらつらと書いていますので、これから社会人になる人や新卒就活を始める人の参考になればと思います。
また会社の幹部・マネージャーを含むお偉いさん方は、今時の若者はこんな感じで辞めていくのだなあと知ってもらえたら良いのではないでしょうか。
それではいきましょう。

今の会社ではやりたいことが実現できない

私が転職を決意した理由は大きく分けて三つあって、その一つが、今の会社では自分のやりたいことが実現できなくなってしまったことです。

私は今の会社に入社するときに、この企業でやりたいことがあって入社したのですが、入社後に(新型コロナウイルスの関係もあり、)その部署がなくなってしまい、プロジェクト自体も凍結されてしまいました。

この企業でやりたかったことが無くなってしまった。
ここでおそらく大多数の人は「まあいいか〜」と何も考えずに企業にしがみつくんだろうなと思いますが、私はそのような思考にはならず、「やりたいことができなくなった以上この企業にいる意味は無いし、そんな状態で働き続けるのは企業にとっても自分にとっても良くないな」と思ったので辞めることを決めました。

元々技術力にはそこそこ自信がありました(と言うと語弊がありますが、大企業が新卒社員に求める技術レベル及び社会人レベルは軽く凌駕してるだろう程度の自己認識でした)し、
昨今のIT、AIブームによる人材不足もあって、ぶっちゃけ辞めても他に仕事には困らない状況でした。
なので上司やマネージャーに対して「もっとこれがやりたい、あれがやりたい」と2年間言いたい放題してみたのですが、彼らは毎回毎回「ちょっと上に聞いてみる」「もうちょっと待ってね」といった回答ばかりでした。
結局最後の最後まで希望は通らず、この企業で働くモチベーションが完全に失われてしまったので辞めることにしました。

他にやりたいことが見つかった

二つ目の理由として、「ゲーム開発」という人生をかけて本気でやりたいと思えることが見つかったことです。
そして今の企業はゲーム事業をやっていないので、これを実現するにはもう辞めるしかありませんでした。

「人生をかけて本気でやりたいことを見つける」というのは本来であれば学生時代の就活で終わらせておかなければなりません。
しかし、(特に学生の皆さんにお伝えしたいのですが、)学生から社会人になったタイミングで生活環境が一変するため、自分の中の価値観は絶対に変化します。
これは働いてお金がもらえるのはもちろんのこと、学生の時には見えていなかった「社会のシステムや流れ」が少し高い視点から見えるようになるからです。
(にもかかわらず学生の価値観でしか新卒就活ができない今の就活システムは完全にバグってると思ってるんですけどどうなんですかね…)

私も実際に社会人になって自身の価値観が変化した実感があります。
特に私は大学院まで進学しており、同級生が働き始めている中で2年間学生をした上で社会人になったことで、「自分の生きたいように生きることができるし、その実力もある」という感覚を持っているのかもしれません。

この価値観の変化に気づいても、何も考えずにひたすら働いておけば丸くの収まるかもしれません。
しかし私にはそれができませんでした。
(会社経営者には怒られるかもしれませんが、)私は企業に対して「所属してやっている」という感覚を持っており、仕事は自分がやりたいことをやるための場だとしか思っていません。
この企業が特別好きなわけではないし、条件が気に入らなければ他にいくらでも行きたい企業があります。
(もちろんスキルがなければそのような考えには至らないかもしれませんが。)
というわけで、自分のやりたいことを叶えるために転職を決めました。

大企業に向いていなかった

三つ目の大きな理由としては、私自身が大企業に向いていなかったからです。
はじめに言っておきますが、今私が所属している企業はとてもホワイトで抜群に働きやすいです。
しかし、完璧な企業というのはどこにも存在しないため、与えられた環境の中ではやっぱり不満は出てくるものです。

一言で言うと大企業は面白くありませんでした。
学生の時から「大企業は社会の歯車だから面白くない」という声は聞いていましたが、やはり実際に自分が入社して働いてみないと実感を持って理解することはできませんでした。
その具体的な内容は以下の通りです。

社内で顔も名前も知らない人が圧倒的に多い

私が働いているのは総従業員数万人を抱えているとても大きな企業なので、当然ですが社内で顔も名前も知らない人の方が圧倒的に多いです。
出社しても知らない人だらけ。

その状態だと、自分の知り合いでない人は全くの他人になってしまいます。
気にしない人はいいのですが自分はその雰囲気がどうも苦手で、特に社内で人とすれ違う時に顔を見て知り合いかどうか確認、知り合いだったら挨拶する、みたいなのがすごく嫌でした。
だって同じ企業の仲間のはずなのに、なんか敵みたいじゃないですか。
働く上で同じ志を持っているとどうしても思えませんでした。

また、何年勤めても社内で初対面の人に出会う関係上、社員に対して何十回も自己紹介をする必要があります。
「私はこれまでこんな業務に携わってきて…」といった話を50代、60代になってもしなければならないのです。
これから何十年も社内で自己紹介を延々とやり続けるのかあ…と思うと耐えられませんでした。

自分のやりたい業務に携わることができない

大企業では、人数が多いために個々人をしっかりと見てくれないという部分が多くあります。

私は1年目に、入社時の配属面談で希望した業務とは全く関係のない部署に配属され、(配属面談の意味はいったいどこにあったんだろうか…)と思いました。
まあそれでも1年目だし、とりあえず言われたことをひたすらやっておけばいいか〜と考えていましたが、配属された部署での業務は想像より遥かに味気なく、全くやりがいを感じることができませんでした。
2年目からは部署が変わって、技術力もマネジメント力も高くて尊敬できる上司に出会えたのですが、それでも業務内容は面白くはありませんでした。

よく考えてみれば配属というは大企業だと完全に会社都合なのです。
自分の希望はほぼ通りませんし、何より配属を決めるのは顔も知らない会ったこともない人たちなのです。
面談等である程度希望を伝えることはできますが、結局自分のキャリア、人生を自分の会ったこともない、信頼関係も無い人が決めるのはやっぱり納得できません。
自分の身動きを自分で制御できないのは意味が分からないと思ったのでやめることにしました。

余談ですがそう考えると日系大企業に就職する場合は、自分のやりたい業務には携われないという前提で、「この会社の看板を背負って働く」ということに納得し、プライドを持てるかというところに落ち着くのかなあと思いました。
基本的に大企業が広報しているエースプロジェクトに憧れて入社してもほぼ間違いなくそのプロジェクトには入れません。
そしてそれ以外のプロジェクトの方が圧倒的に多いために、自分が入社前には知りもしなかった名前もよく分からないプロジェクトに飛ばされるものなのです。
何も考えずに生きている人ならそれで構いませんが、これじゃあ明確にやりたいことがあって入った(意識も実力も高い)人たちはすぐ辞めていきますよね。納得です。
結論として、やりたいことが明確にあるなら大企業に入るべきではありません。

自分の知らない業務が圧倒的に多い

私の今の企業は有名企業なので「〇〇で働いてるの?こないだ△△って製品出してたよね?」みたいなことをよく言われます。
しかし前述のように自分がプロジェクトに携わっているわけはないので反応に困ります。
自分が作っていなくとも(あの人が頑張って作ったやつだ!)となれば全然大丈夫なんですが、それすらならない。
どこの誰が作っているのかも分からないのです。
そんな状態で自分の企業について言われても、私は胸を張ることができませんでした。
それはもう自分の会社とは言えません。

エクセルパワポおじさんになりたくない

よく「上司の姿が将来の自分の姿である」と言いますが、ふと上司の様子を見てみると、いわゆる「エクセルパワポおじさん」ばかりなのです。
自分は絶対にこんなふうにはなりたくない。

無駄な会議のための資料作成、コードを一切書かずにエクセルとパワポでグラフをいじる日々。
部署内にエンジニアと呼ばれている人がたくさんいるのにコードを書く人が誰もいなかったことに軽く絶望しました。
私は開発がしたくて今の企業に入ったのです。開発者は開発してなんぼです。
これに関しても「もっと開発させろ!」と配属されてからずっと言い続けていたのですが一向に状況が変わらないので、もう諦めました。
無駄な会議の実施や、誰も読まない資料を延々と作り続けるのは、穴を掘って埋めることを繰り返す囚人と同じなんです。
マネージャーへの毎週の進捗報告の資料作成とか、その資料作成のためのミーティングとか何も生み出していないじゃないですか。
パワポに綺麗にまとめなくても、テキストと実機のデモで十分じゃないですかね。

私は別に資料作成がうまくなりたくてここにいるんじゃないんですよ。
まあそもそも今時エクセルパワポで資料作りなんてナンセンスですが。
(ちなみに進言しても「確かに、悪しき風習なんだよねー」と言われて終わりです。分かってるんなら直せばいいのに。)

技術が好きな人が少ない

これは文化の話なので大企業という括りでは述べることができないかもしれません。
私が入社した企業は全従業員の半数ほどが技術者として働いていたのですが、技術が好きな人がとても少なかったです。
上司は別に技術に詳しくもないし好きでもない、という状況です。

これじゃあ技術の話が全然できないし、技術者ジョークも通じない。
技術が好きじゃないのになんでこの仕事をしているかと聞いてみると返ってくるの答えは、「会社にやれって言われてるから」。
…。
大企業ってこんな感じなんだなあと思いました。

そしてもっと悲しかったのが、みんな英語でドキュメントを読まない。
ドキュメントを速攻で英語に翻訳する。「日本語のドキュメントが出て来ないので分かりません」とか言い出す。見ていられません。
「ここのリンク先を読んでください」で伝わるはずのところを、その内容をわざわざ私が日本語に直してチャットに打ち込むのがすごく嫌でした。

もちろん全員とは言いません。尊敬できる開発者も当然一定数いて、その人たちとは会社を辞めても個人的に付き合っていきたいなあと思っています。

まとめ

以上、私が転職しようと思った理由(&今の企業を辞めようと思った理由)でした。
結局、やりたいこともないままにこの会社に入った自分が悪いのですね。会社側には迷惑しかかけていません。会社は何も悪くないのでとても申し訳ないです。

まあもっとも、自分に技術力に自信が無いがないとこんなにサクッと辞めたりなんかはできないかもしれませんね。
終身雇用が崩壊したと言われる現代で生き残るには、それぞれの個の力で勝負する必要があります。
大企業にしがみついておくだけではどんどん人生がつまらないものになっていくことでしょう。
私は常に、会社というのは自分で選ぶ立場だと考えているので、そこで上手くやれなかったならそれは選んだ自分が悪いと思っています。(なので転職をするんですけど。)
自分の人生を自分のものにするために、会社に飼い慣らされてやりたくもないことをやらされるのではなく自分が本当にやりたいことを掴むために、常に勉強して自身の技術力を高めておきましょう。
大企業はホワイトで残業が少なく、給料が高いです。それは素晴らしいところです。
そんな環境を手放してしまうのはもったいないなと思う部分も大きいです。

でも全然構いません。
だってもっともっと楽しいことができるのですから。

勘違いしてもらいたくないので何度も言いますが、今の企業はとてもホワイトで抜群に働きやすいです。
フルリモートでフレックス、福利厚生もよく、給料もそこそこ貰えます。それに社内に色々な種類の人がいて、その誰もが優しいです。残業もほとんどありません。
何より「変化」を恐れず新しい方向へどんどん進んでいく企業で、社内改革のスピードが大企業と思えないくらいにとても速いんです。すごく良い企業だなあと思います。

しかしながら、肝心の業務内容が面白くないのです。

仕事をするために企業に勤めてるのであって、決して福利厚生や給料のためではありません。
そちらが仕事内容よりも優先順位が高くてはダメなのです。
最近は「仕事」というものについて色々な本を読んだり勉強したりしてみて、結局「仕事だから」と割り切ってそこそこの給料をもらうという選択肢が一番良いのかもしれない、という思いもあったりします。

でもね、やっぱり毎日長い間働くのにそれ自体が楽しくないものだったらそれは会社に飼い慣らされてるだけの奴隷なんですよ。
そして自分に力が無ければ、その状況から抜け出すことができないどころか自分が奴隷であるということにすら気づくことができません。
あるいは「自分の今の環境が結局自分に一番合っている」と自分を納得させる思考が働いてしまいます。
何のために働くのか。
私は自分の仕事に誇りを持ち、自分のやりたいことをやって、生きていけるだけのお金をもらうのが今のところの最適解だと思っています。

個別に相談がある方、もっと詳しい話が聞きたい方は私のTwitterアカウントまでダイレクトメッセージでご連絡ください。
(これ以上ここに書くと特定が怖いので。笑)
今回は以上です。

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