こんにちは。ざわかける!のざわ(@zw_kakeru)です。
先日、京都にある「ニンテンドーミュージアム」に行ってきたのでその感想を書いておこうと思います。
2024年に開館したこの施設は、任天堂の歴史や製品を展示する公式ミュージアムで、事前予約制となっています。
細かいレビューはネット上にたくさん記事が上がっているので、ここでは僕が感じたことを中心に書いてみます。
なので体験全体を網羅する内容にはなっていません。全体の中でも特に私の琴線に触れた部分にフォーカスを当てて書いていきます。
一行まとめ:めちゃくちゃ良かった
結論、めちゃくちゃ良かったです。
任天堂というのは自分が生まれるずっと前から存在していた会社で、まだゲームがなかった頃から作っていた製品から着実に今の事業につながってきてるんだなと思いました。
「任天堂は昔も今もゲーム会社ではない」というのは有名な話ですが、その辺りをより濃く実感することができました。
任天堂は最初は花札製造会社として創業し、玩具メーカーを経て現在のゲーム事業に至っていますが、ミュージアムではこの長い歴史の流れを丁寧に展示しており、会社の理念や製品開発の哲学を感じることができました。
展示コーナー
ゲートをくぐった先の広場や建物入り口のキノピオ、壁一面のキャラクターパネルと一緒に写真を撮りつつ、やはりメインはエスカレーター(これも良かった)を登った先にある2階の展示コーナーです。
過去全ての発売タイトルが並んでいる光景はやはり圧巻でした。ファミコンから始まり、スーパーファミコン、64、ゲームキューブ、Wii、WiiU、そしてSwitchまで、膨大な数のソフトが年代順に美しく展示されています。それらを見ながら様々な記憶が蘇ってきました。
「あ、このゲーム家に友達を呼んだ時にみんなでめちゃくちゃやってたな!」とか。
「あーこのゲーム小学生の時に発売をめちゃくちゃ楽しみにしてて、発売日に買ったけど一週間後に無くしちゃったんだよなー」とか。
「そうそうこのゲーム小学生の時に買ったけど難しすぎて一回やめて、中学生になってもう一回チャレンジしたらどハマりして完全クリアまでやったんだよな」とか。
「このゲーム欲しかったけど買ってもらえなかったから、友達の家で友達がやってるのをずっと見てたなー」とか。
このゲームは、このゲームは、、、
思い出が次から次へと溢れ出てきて、言葉にならない感情に包まれました。自分が手に取ったことがあるゲーム、手に取ったことがないゲームにも一つ一つにきちんと思い出があることに気がつきました。
当時はゲームばっかりしているつもりはなかったんですけどね。習い事も多くしていたし中学に上がると部活動も毎日していましたし。
それでも振り返ってみると、自分は本当に、任天堂のゲームと一緒に生きてきたんだなと思いました。
自分ではプレイしていたことを完全に忘れていたようなゲームも、パッケージを見た瞬間に「ああ、このゲームやってた!」とすぐに思い出すことができました。
ゲームにとっても、そんなふうに思い出してもらえて多少浮かばれたかもしれません。
私は一人で行きましたが、友人と一緒に回ったらそのような話でとても盛り上がるのだろうなと思いました。特に同世代の友人と行くと、共通の思い出や「あのゲームやった?」という会話が尽きないでしょう。
また、個人的に興味を引いたのは試作機の展示です。
ハード製品が世に出る前の開発段階で色々と試行錯誤をしていた時のものが展示されていました。
特にゲームボーイアドバンスからSPになって、DSになっていく様子が見られたのがとても面白かったです。
おそらく社外に公開したのは初めてだと思いますし、最初はアドバンスの画面を2つくっつけたところからスタートしたんだなあ、、とここも地続きであることが分かって感動しました。
他にも採用されなかったデザインのコントローラーなど、普段見ることのできない貴重な品々が並んでいました。これらを見ると、製品が世に出るまでに何度も試行錯誤が繰り返されていることがよく分かります。任天堂の「遊びの哲学」が形になっていく過程を垣間見ることができました。
また、過去作ハードの中身が開けられて展示されていたのも興味深かったです。
子供の頃は何も考えずに遊んでいましたが、その小さな箱の中がどのような構成になっていて、刺したカセットがどのように読み取られているのかを知ることができました。
ファミコンやスーパーファミコンの内部構造を見ると、当時の技術の粋を集めた設計の美しさに感動します。限られたハードウェア性能の中で、いかに面白いゲーム体験を作り出すかという工夫の歴史が詰まっていました。
ただ、スイッチだけは中身の展示がありませんでした、、そりゃそうか。現行機種なので企業秘密も多いのでしょう。
その他のコーナー
その他のコーナーに関して。
一階の体験コーナーもとても良かったです。ユニバみたいなアトラクションが色々とありました。
百人一首、スクリーン射撃、ビッグコントローラーあたりを体験しました。
コインを消費するので全てのコーナーを体験することはできないのですが、どれもサービス満載のとても良い空間が作られていました。
敷地内にはカフェもありましたが、丁寧に見て回っていたら時間が足りなくなってしまい、いつの間にかラストオーダーの時間を過ぎてしまっていました。
一瞬だけ立ち寄って内装だけ見てその場を後にしました。カフェの内装はどうぶつの森やゼルダなどのキャラクターをモチーフにしたデザインで、テーブルや椅子、壁の装飾まで細部にこだわりが感じられました。
次回訪問する機会があれば、ぜひカフェでの食事も楽しみたいと思います。
最後にお土産を少し買って帰りました。
あの映画の大人たちの気持ち
突然ですが皆さんは映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』をご存知でしょうか。
このブログを読んでいる物好きな皆さんなら知っている方も多いかと思います。
二十世紀博と称して「昭和のあの頃」をイメージしたテーマパークに大人たちが行ってみたら、懐かしさにひたるあまり現実世界に帰ってこれなくなるというお話なのですが、
私はこのニンテンドーミュージアムに行ってみて、まさにあの大人たちの気持ちが本当に理解できました。
本当に(ああ、ずっとここにいたらあの頃の何の悩みもなくただひたすらに遊んでいた感覚でいれるんだな。。)という気持ちになりましたね。怖いなあ。笑
この感覚は、大人になってからこそ味わえるものかもしれません。
子供の頃は「今」を全力で生きているので懐かしさを感じる余裕はありませんが、大人になると過去を振り返る機会が増え、あの頃の純粋な気持ちを思い出すことがあります。ニンテンドーミュージアムはそんな感情を呼び起こす、タイムマシンのような場所でした。
とても心地よくて、いい体験ができました。
展示コーナーは全面的に撮影禁止と伝えられていて、最初は(なんで写真撮っちゃダメなんだ)と思っていましたが、これは納得です。
撮影OKなんかにしたらそれこそ絶対にみんなその場から動かなくなることでしょうから。
おわりに
全体として、ニンテンドーミュージアムは単なるゲーム展示施設ではなく、任天堂の歴史と哲学、そして私たち一人ひとりの思い出が交差する特別な場所でした。ゲームファンはもちろん、そうでない方にも、日本のものづくりの精神や創造性を感じられる貴重な体験になると思います。
こんなにもゲームというコンテンツ自体にとしっかり向きあう時間が取れたのは初めてかもしれません。
そしてやっぱり、自分はゲームが好きだなという実感が湧きました。
非常に幸せな空間でした。