確定拠出企業年金(企業DC)をiDeCoに移換した時の作業ログ

雑学

こんにちは。ざわかける!のざわ(@zw_kakeru)です。
2種類の企業年金(確定給付企業年金/確定拠出企業年金)をiDeCoに移した際の作業手順を書いていきます。
誰の役に立つのか分かりませんが自分のログとして残すことが目的です。
今回の記事で扱うのは確定拠出企業年金の方だけです。

はじめに:前提状況の確認

先日転職をした際の転職手続きに関する記事を書きましたが、

その際に「確定給付企業年金(個人拠出)と確定拠出企業年金を他の制度(iDeCo)へ移換する」ように申請を出していました。
その時点では申請を出しただけで、退職後に書類が届くとのことだったので具体的な手続きは何もしていませんでした。
そして後日に書類が届いたので早速作業を開始します。
確定給付企業年金は1年以内、確定拠出年金は半年以内に手続きしないといけないとのことなので、まずは期限の短い確定拠出企業年金の手続きを進めてみます。

以降は、私が実際に行ったことをつらつら書いていきます。

確定拠出企業年金(企業DC)の移換 (退職後半年以内)

JIS&Tから退職後に自宅宛に送付されてくる「加入者資格喪失手続き完了通知書」と「資格喪失時のお手続きのご案内」を待ちましょう。
私の場合は4月1日付けで加入者資格を喪失し、自宅に届いたのが5月25日でした。半年しか猶予が無いのにすでに2ヶ月経過しちゃっているんですけど。。遅すぎでは。。。

早速作業していきます。
まず自己情報の確認です。登録内容に誤りがある場合は訂正する必要があります。
私の場合は退職と共に引っ越しをしていたので、住所変更をしなければなりません。
変更方法は同封されている「加入者口座属性変更通知書」を郵送で提出するか、JIS&Tの確定拠出年金サービス(Web)から申請するかの二つがあります。
言うまでもなくWebから変更申請をします。

申請が完了(厳密には「完了」ではなく「受付」)した後に、改めて移換手続きを行っていきます。
「資格喪失時のお手続きのご案内」をチェックしましょう。

ややこしいフローチャートが書かれていますが私が該当するのは「確定拠出年金(個人型)への移換」です。
該当部分(4ページ1-A)を確認してみると、

もっと色々書かれていると思っていたのですが、結局「勝手にやれ」としか書かれていませんね。
これなら書類が届くのを2ヶ月も待たなくてもよかったやん。。。
まあいいや。じゃあ勝手にやっていきましょう。

ちなみに2年間在籍して掛金は12万円くらいでした。やっぱしけてんなあ。
これのせいでiDeCoができなかったのはとても痛いです。。何百万損したんでしょうか。。。
(個人的な意見としてはiDeCoの代わりにこれとか意味分からないです。企業拠出年金で毎月の掛け金がiDeCoより少ないのならやってる意味がないですねぇ。)
転職先には企業拠出年金はありませんが厚生年金基金があるので満額で月1.2万(年14.4万)の枠を使っていきます。

手続きの確認

国民年金基金連合会が運営しているiDeCoの公式サイトを確認します。
ここに書かれていることをよく読んで整理すると、転職先に企業拠出年金が無い人が確定拠出年金をiDeCoの移管する際の手続きは次の手順となります。

  • 自分でiDeCo公式サイト(運営管理機関一覧)に記載されている運営管理機関(窓口金融機関)を選び、証券口座を開設する。
    • すでにiDeCoに使いたい証券口座を持っている人はこの手順は不要です。
  • 証券口座を作った窓口金融機関にiDeCo口座開設のための資料請求をする。
    • すでにiDeCo口座を持っている人はこの手順は不要です。
  • 窓口金融機関へ「確定拠出企業年金制度」からの移換があることを伝え、「個人別管理資産移管依頼書」をもらう。
    • (窓口金融機関によりますが)iDeCo口座を開設する人は口座開設資料との同時請求が可能です。
  • 「個人別管理資産移管依頼書」に必要事項を記入し、iDeCo口座開設のための資料とともに窓口金融機関に提出する。

ま要するに移換自体は「個人別管理資産移管依頼書」一枚あればそれで完了しますよ、とのことです。
すでにiDeCo口座を持っている人であれば紙を一枚出すだけなのでとても楽チンですね。
しかしながら私はiDeCo口座を持っていなかったのでまずそちらを開設し、開設と同時に移換をすることにします。
必ずしも同時にやる必要はないですが、シンプルに手間が減るのでまとめてやっちゃいます。
※ちなみにiDeCo口座開設をすっ飛ばして移換手続きだけを行うことも可能です。その場合は掛金拠出ができませんが。

証券会社の選択

まず最初にどの運営管理機関(窓口金融機関)で証券口座及びiDeCo口座を開くかを考えなければいけません。
私の場合はSBI証券か楽天証券、商品はとりあえず全米or全世界株式に100%投入を考えていました。
その観点からそれぞれの証券口座で、iDeCoに対応している商品を確認したところ次の通りでした。

左が楽天証券・右がSBI証券

うーん、やっぱりどう考えてもS&P500になっちゃうんだよなあ。。
積み立てNISAの方でもS&P500に掛けているのでもうちょっと分散させたいところなんですけど、全米なら手数料とか考えてもここ一択だし全世界にすると利率が渋くなるしなあ。
まあS&P500でいいか。と考えてS&P500対応のSBI証券で口座を作ることにします。
管理の手間とかを考えると楽天に寄せておいた方がいいのですが、未来の利益が数百万円変わると考えたらそんな手間なんて考慮してる場合じゃないですからねぇ。

証券口座の開設

まず最初に証券口座の開設を行います。
証券口座からiDeCo口座、NISA口座、特別口座へと派生していくので大元となるiDeCo口座開設の前にこちらの手続きをする必要があります。

SBI証券を使うことに決めたのでSBI証券の公式サイトから口座開設を行います。
(ユーザーネームとパスワードを入力する欄のすぐ下に小さい字で「口座開設はこちら」と書かれています。新規顧客獲得する気無いんか。。。?)

フォームを開いて必要な名前や生年月日、住所、電話番号、などの個人情報を入力していきます。
また口座の種別選択の部分ですが、3種類存在していて、それぞれ

  • 特定口座(源泉徴収あり):利益が出たときに業者が税金分を引いて勝手に納税しておいてくれる
  • 特定口座(源泉徴収なし):利益に対して業者が税金分を引かない(自分で確定申告が必要、ただ年間取引報告書などの確定申告に必要な書類は作ってくれる)
  • 一般口座:利益に対して業者が税金分を引かない(自分で確定申告が必要、年間取引報告書などの確定申告に必要な書類も作ってくれない)

となっています。
一般的には一番上の「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでおけば良いでしょう。
(iDeCoにしか使わないならどうせ非課税ですしあんまり関係ない?のかな。)
私は(自分の財産の動きの把握&金融の勉強のために)自分で確定申告をしたい変態なので「特定口座(源泉徴収なし)」を選択しました。
(この区分は年単位で後から切り替えることができます。)

余談です。
「特定口座(源泉徴収なし)」を選んで自分で確定申告をする具体的なメリットがもう一つあります。

現状の日本では年間20万円までの利益であれば雑所得という扱いで確定申告をしなくても良い、という制度になってます。
「特定口座(源泉徴収あり)」を選択すると問答無用で所得税&住民税が引かれてしまうので、年間利益を20万円以内に収める場合に限り、「特定口座(源泉徴収なし)」にしておくことで何の手続きをする必要もなく所得税も払わなくて良くなります。(まあ住民税は払わないとダメですが。)

NISAの設定については

今回はiDeCoの運用をしたいので申し込みません。
その他適当に設定をしていって、証券口座を開設します。

その他、身分証明書(マイナンバーカード)の写真を送ったり何なりの設定が諸々終わったら口座開設完了です。
審査があるので数日間待ちましょう。

iDeCo口座開設(と移換)のための資料請求

数日後、本人確認の審査が通り、証券口座の開設ができたというメールが届きました。
早速ログインして今度は証券口座の初期設定で再び色々と個人情報を入力していきます。
この初期設定の際、途中でiDeCoの同時申し込みを行うかどうか聞かれたので、

同時申し込みを行い、さらに確定拠出年金の移管の旨を伝えました。
私の場合はこれ以降はWEBで申請ができないパターンだったみたいで、郵送で資料が届くようです。
これでまたしばらく待っていたらiDeCoを申し込むための書類がうちに来るのでしょう。

iDeCo口座開設(と移換)申請

数日後。
うちにiDeCo申し込み&移換のための資料が届きました。

あとはこの中身に従って手続きをしていきましょう。
私の場合、iDeCoの申し込み&移換に必要な書類は次の通りでした。

  • 個人型年金加入申出書(第2号被保険者用: 厚生年金の方)
  • 預金口座振替依頼書兼自動払込利用申込書
  • 加入者掛金配分設定届
  • 個人別管理資産移管依頼書 (←上で述べた、移換する人にだけ必要な一枚の紙切れ)
  • 事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書
  • 本人確認書類

順番に手続きを進めていきましょう。

個人型年金加入申出書(第2号被保険者用: 厚生年金の方)

加入の申出書です。一番大事な契約書類ですね。

  1. 申出者:自分の個人情報を書いていきます。
    私の場合はWEBでの申し込み時に入力した内容はすでに印字されていました。
    – 氏名(フリガナも)
    – 住所(郵便番号、フリガナも)
    – 基礎年金番号
    – 生年月日(和暦)
    – 性別(男性/女性)
    – 連絡先電話番号
  2. 被保険者の種別:自分が該当する項目を選びます
    すでに印字されていました
  3. 掛金の納付方法:掛け金をどこから払うかの選択です。
    – 事業主払込:企業の口座から掛け金を支払う(申出者に対しては給与からの天引きなどの形となる)
    – 個人払込:申出者の口座から掛け金を支払う
    私は会社を通すとめんどくさいので個人払込にします。
  4. 掛金引落口座情報:自分がiDeCoで使う口座情報を書き込みます。
    私は「ゆうちょ銀行以外の金融機関」にチェックを入れて楽天銀行の口座情報を書きました。
  5. 掛金額区分:納付月と掛け金の金額を指定します。
    私は毎月12000円(自身の限度額いっぱい)の定額納付としました。
  6. 現在のお勤め先(事業所の情報):登録番号を調べて記入します。
    私は会社の人に聞きました。
    登録事業所番号は分からないと言われたので空欄で提出しました(空欄でも申し込みできるそうです)。
  7. 付加保険料納付状況・国民年金基金加入状況について:主に自営業者は記入が必要です。
    私はスルーです。
  8. 給付金・年金の受給状況について:60歳以上で現在年金を受け取っているか記入します。
    私は60歳になっていないので何も記入しません。

預金口座振替依頼書兼自動払込利用申込書

これは銀行に出す依頼書です。
先程「この口座から引き落としてくれ〜」とSBI証券側にお願いしたので毎月その銀行口座に引き落としの鉄続きが行われるわけですが、
銀行側にも「SBI証券から毎月引き落としの依頼がくるけど、私に確認せずに勝手に引き落としちゃっていいよ〜」と言っておかなければならないので、そのための書類です。
SBI証券から銀行に出しておいてくれるんですね。便利。

基本的に先程記述した個人型年金加入申出書と同じことを書きます。
印鑑登録をしている場合はその登録印鑑を押しましょう。
口座開設時に印鑑登録を必須としていないネット銀行等を指定する場合は押印の必要はありません(というか押すべき印鑑が存在しません)。

加入者掛金配分設定届

どの金融商品を買うか選択します。
掛け金の配分割合を指定するので、合計が100%になるように記入していきます。

ここは各個人の投資戦略によって変化します。
もちろん投資が始まってから変更することも可能です。
私は14番のS&P500に100%突っ込みました。

個人別管理資産移管依頼書

移管手続きに必要な書類です。
移換手続きだけをしたい人はこの書類だけを提出すればOKです。

  1. 申出者:自分の個人情報を記入します。
  2. 移管先の情報:SBI証券なのですでに印字されています。
  3. 移管元の情報:移管元の企業の名称とそこでの管理機関の名称を記入します。
    登録番号が分からない場合は空欄でも良いそうです。
    私の場合は前述のJIS&Tから届いた「確定拠出年金加入者資格喪失手続完了通知書」(上部写真左)に登録番号も名称も資格喪失日も書かれていたのでそれを記入し、記録関連運営管理機関はJIS&Tを選択しました。
  4. 上記以外「移管元」以外の企業型確定拠出年金の加入履歴:次の条件に両方該当するときのみ「加入していた」を選択します。
    – 今回移管する企業型確定拠出年金の他に別の企業型確定拠出年金に加入していたことがある
    – その時の年金資産は、今回移換する年金資産とは別々のままである
    私は他の企業型確定拠出年金なんかやってなかったので「加入していない」を選択しました。

事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書

iDeCoの加入資格があることを会社に証明してもらおう、という書類です。
会社にお願いして書いてもらう書類なので、我々が書くべき箇所は多くはありません。

「申出者の情報」と「掛金額区分」を書いたら後は会社にぶん投げます。
そうしたら後は会社側でよしなに書いてくれて、いくらまで掛け金を設定できるか教えてくれるので自分の認識との齟齬がないか確認しましょう。

フローチャートも記載してくれています。(提出の必要はありません。)
私はスタートから「いいえ」→「はい」」で12000円が限度額でした。認識に相違はありません。

本人確認書類

最後に本人確認書類です。
言われている通りに提出します。

私は免許証の裏表のコピーを取って貼り付けました。
マイナンバーカードでもいけそうでしたけどマイナンバー部分をマスキングするという一手間が必要だったのでやめました。

郵送

書類をまとめて返信用封筒に入れて郵送しました。これで完了です。長かった。

運用開始

一連の書類に不備がないことが銀行側で確認されたら、ようやく運用開始です。
あとは自分の資産を増やしていくだけですね。
めでたしめでたし。
(記事執筆時点では受理の連絡が来ていません。待っています。)

終わりに

やっとiDeCoができるようになりました。確定拠出企業年金の移換もできて良かったです。
めちゃくちゃ時間がかかりますね。
こういうのは人生で何回もやらない手続きなので分からないのは当然で、しっかり自分で理解しながら進めていくことが大切です。

私自身証券口座とiDeCo口座の関係性がよく分かっていなかった(何なら今もよく分かっていない)ので、「え、2回も口座開設するの!?」と少し面食らってしまいました。
もっと勉強しないとな。

確定給付企業年金(企業BC)の移換は期限が退職後1年以内なのでまた今度やります。。
と言ってもそんなに作業は無さそうな感じですね。
すでに証券口座もiDeCo口座も開設が完了してるので、あとは適当に書類を出すだけでできそうな予感がしてます、知らんけど。

疲れたので今回は以上です。

ちなみに

半年以内に手続きを行う必要があるのに3ヶ月ほど放置していて、それでいて手続きに最大3ヶ月ほどかかるとの記載があったのでなるべく早めに手続きをしなきゃと思って銀行側に問い合わせたところ、

企業型確定拠出年金の移換期限は6か月以内となっておりますが、
この期限はあくまでも書類を不備なく当社にて受付けた日を指しますので、これからお手続きいただいても十分間に合います。

との返答が来ました。
まじか、笑。知らなかった。
運用開始までの期限だと勘違いしていました。
おそらく私と同じ勘違いをしている人も多数いるのでどこかにちゃんと書いておいてもらいたいです。
が、こういうのは締め切りが早いと意識させることで早めに行動を促せる(実際に私もそうでした)ので勘違いさせたままでいい気がしますね。

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