こんにちは。ざわかける!のざわ(@zw_kakeru)です。
今回は残業代について書いていきます。
なぜ日本では「無能な人ほど得をする」「残業すればするほど給料が上がる」のかを考えてみましょう。
残業・残業代の定義
まず基本の確認です。
日本の労働におけるあらゆる規定(ルール)について定められている「労働基準法」を読んでみましょう。
(今の時代Webで気軽に読めますし、こういう一次ソースを自分で確認することはとても大事な作業です。)
この労働基準法にはこのような記載があります。
(第三十七条)
使用者が、-(略)- 労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については -(略)- 割増賃金を支払わなければならない。
労働基準法には、労働時間を延長(すなわち残業)した場合は、割増賃金を支払わなければならないと書かれています。
これが残業代ですね。常識です。
この労働基準法に定義されている残業代のポイントは、働いた「時間」に対して賃金が発生するということなのです。
すなわち同じ作業量であっても、仕事が早い優秀な人は賃金が少なく、仕事の遅い無能な人ほど賃金が増えるということです。
これは優秀な人ほど損をするということを表しています。
すると「自分の方が優秀なのに何で給料が低いんだ!おかしいぞ!」と思う優秀な人はわざと定時以降にも仕事を残して残業するという状況が生まれます。
世の中には、定時まではサボりまくって定時後に仕事のスイッチを入れる、なんて人もいるみたいですね。
そうなるともう地獄です。
労働基準法はなぜこんな地獄を誘発するようにできているのでしょうか。
労働基準法の制定
実は労働基準法が制定されたのは、1947年(昭和22年)です。
今から70年以上も前なのです。
70年も経てばさすがに状況も変わると言いますか、当時の法律をそのまま使ったらそりゃあ不具合も生じるよなあと思いますよね。
じゃあこれが制定された当時の働き方は今とどのような違いがあったのでしょうか。
答えはこうです。
労働基準法が制定された当時は、単純労働しか存在しなかったのです。ここがキモです。
具体的には工場や工事現場での労働です。
工場で動いている機械(及び人)の監督をする、工事現場でひたすら体を動かす。
このような現場では、時間に正比例して成果が上がるのです。
工場が稼働する時間が増えれば増えた分だけ製品を作れますし、肉体労働もやればやるだけ工事が進むのです。
よって長時間働けばその分だけ素直に賃金を手にすることが理にかなっていました。
さて。現代の働き方はどうなのか。
以前のような現場仕事はかなり少なくなっており(もちろん一定数は存在しますが)、反対に頭を使ったクリエイティブな労働が多くなってきています。
営業、コンサル、資料作成、プログラミングなんかもそうでしょう。
じゃあこのようなお仕事は時間を延ばせばそれに正比例して成果が上がるのでしょうか。
答えはNoです。
1日あたりの一定の作業量を超えると頭がボーッとしてきて、それ以上何も考えられなくなります。
そんな状態で仕事にあたっても全く進まず、成果も上がりません。
それでもやることはたくさん残っているし、まあその分給料が増えるしいっか。
こうして、だらだら仕事をする方が得をするというおかしな仕組み・文化が生まれてしまっているのです。
単純労働ではない複雑な頭脳労働が増えてきたにも関わらず、70年前の単純労働を前提に法律が作られているからこんなバグが生まれていたわけですね。
70年前にはこんな心配をする必要はありませんでした。頭がボーッとしてもひたすらに体を動かして、それで成果を上げることができたのですから。
まさしく「体が資本」だったわけです。
じゃあどうすればいいのか
理屈は分かったけど、じゃあどうすればいいのか。
言うても法律も会社もすぐには変わらないし、結局目の前の状況に変化はありません。
だらだら仕事をする方が高い賃金がもらえる環境であなたはするべきことは何なのか。
簡単です。
あなたがやるべきなのは自分の業務を定時で終わらせて、残業せずにさっさと家に帰ることです。
そんなことをすると残業代がもらえない。
自分より無能が人の方がたくさん賃金をもらっていることに耐えられない。
そう思うかもしれません。
しかしそれは目先のお金しか見えていないのです。
自分がもっと優秀であることをアピールして、社内での地位を上げていきましょう。
そもそも残業代でチマチマ稼ごうなんていかにも低レベルな人が考えそうなことじゃないですか。
そんな無能な人とはしっかり人事評価の方で差をつけて、基本給をガッツリ上げることに専念すべきなんです。
そうすれば残業なんてせずともあなたの給料はどんどん上がっていきます。
勤務時間も短くて(定時上がりなので短くはないんですけど笑)給料も高く、責任感ある仕事も回ってきて働いて楽しくなるでしょう。
QoLの面でも毎日数時間残業する人と比べても雲泥の差ですね。
もちろん、いつでも定時に帰れば良いわけではなく時と場合によります。特にクリエイティブな仕事をしている人は、締め切り前に覚醒するタイミングが少なからずあるはずなので、そのように自分がノッていて今なら無限に成果を出せるぜ!という時にはどんどん残業すればいいと思います。
長い目で見れば得をするのは定時で仕事を終わらせてさっさと帰るあなたなのです。
もしもそれでも待遇に差がつかない、あるいはたくさん残業する人の方が評価が高いということがあれば、そんな会社にいるべきではないのかもしれませんね。
その時は定時退社して転職活動を頑張ればいいのではないでしょうか。
終わりに
これは個人的な意見ですが残業なんかするもんじゃないと思いますね、やっぱり。
ただでさえ一日8時間の労働は長いのに、追加で長時間会社にいてもいいことなんてありません。
むしろ家(及びその他の場所)での切り替え、リフレッシュの時間が減ってしまってどんどん辛くなると思うんですよね。
私は最近は残業する人は「哀れだなあ…」と思うようになってきました。
会社の外でやりたいことがたくさんある私みたいな人間としては、会社に無駄に長時間居座っておくような時間はないんですよね。
もちろん急にその日だけトラブルが発生して突発的に、とか、納期直前の数週間(数ヵ月間)とかなら分かるのですが、デフォルトでほぼ毎日残業している人に対しては人生損してるなあと思います。
ちなみに今の会社に入ってからはそのような人はいません。みんな自分のパフォーマンスの出し方を分かってるみたいで、しっかり時間管理して仕事をしています。すごいですね。
労働基準法は70年前を基準に作られているということを知れて、残業に対する理解も深まったのではないでしょうか。
はい、今回は以上です。