(アイスブレイク)新入社員メンター制度でやったこと

雑学

こんにちは。ざわかける!のざわ(@zw_kakeru)です。
今回は、新入社員のメンター制度でやったことを書いていきます。
アイスブレイク、チームビルド活動の一種となりますので、どなたかの参考になればと思いレポートにまとめてみます。

はじめに:制度概要

私の所属する会社では、入社数年(4年以内)の若手社員が新卒一年目の社員たちと仲良くなり、業務に限らず生活面や体調面を含めて心身ともにケアする「メンター制度」なるものがあります。

これは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、出社もままならず、気軽に相談できる先輩も同期も周りにいないことを「可哀想」(実際に言われました)だと思った上層部たちが、年の近い若手社員と交流を持つことで会社に対する心理的安全性を下げるとともに悩み事などを聞いてあげてほしいということで発足した制度です。
(ちなみにこの制度は昨年度はありませんでした。私たち入社2年目だって「出社もままならず、気軽に相談できる先輩も同期も周りにいない」んですけどねえ。。。そんな私たちをすっ飛ばして1年目のケアをしろときましたか。そうですか。)

このメンター制度は1対1あるいは2ぐらいかなと思っていましたが、メンター3人に対して新人5人という計8人グループでの実施となりました。
メンター一人一人に負担をかけないようにすることに加え、マッチング不良がなるべく起きないようにするためとのことでした。
実施期間は9月から翌年の3月まででした。

目標

メンターとしてこの活動に携わるにあたっての目標として、「新人がお互いに友達同士として普通に話せるようにすること」を設定しました。
全然知らない人同士がいきなり集められて、「悩みを打ち明けろ!」と言っても打ち明けるわけがないんですよね。
それよりもまずは、時間をかけて彼ら同士が仲良くなることが大事だなと考えました。
「半年間のプロジェクトで結局全然打ち解けられずに終わる」というのだけはどうしても避けたかったので、新人同士がどこか別の業務などで一緒になった時も気まずくならない程度には仲良くなってもらおうと考えました。

オンライン顔合わせ会

ここからは、半年間で実際にやったことを説明していきます。

まず最初は、顔合わせ会@オンラインです。
最初の1時間ということで軽く自己紹介をしてもらいましたが、やはり全く盛り上がりませんでした。
もちろん今すぐに仲良くなれるとは思っていないので、ここからが腕の見せ所ですね。
8人で回した後に今後の取り組みや制度の説明をしてちょうど一時間となりました。

1on2

メンター1人に対して新人2人でお話をする、(1on1ならぬ)1on2 @ オンラインを何度も実施しました。
この1on2を行った理由としては、メンターとの信頼関係を築くとともに新人同士でも話せるようにするためでした。

全体での集まりだとどうしても話す人が固定されてしまうため、最初は1on1で一人一人にじっくり話を聞こうと考えていました。
しかし、そもそもよく知らないメンターに1on1でいきなり「悩み事を話せ」と言っても話すわけがないですよね。
なのでまずは信頼関係を築くのが先となりますが、それに適している1on1では普段の生活とか、趣味などの雑談がメインになります。
となるとこれは他の人もいた方がいいだろうということで、ぎりぎり皆が話せる3人(1on2)での実施がいいという結論に辿り着きました。
新人達も同期同士で話す方が楽しいですからね。メンターも1on1より気が楽だし。

1on2は2週間に1回、30分程度のペースで行いました。
最初に組み合わせ順列(メンター3人から1人、新人5人から2人選んで並べる)を考慮してメンバーを振り分け、グループは毎回組み合わせが変わるようにしました。
メンター3人に対して新人5人だったので毎回一つのペアは1on1になっていました。
それぞれ割り当てられたグループで日程調整をして2週間以内に実施、という形を取りました。
どうしても業務都合が合わなかったり、当日体調不良になってしまったりした場合は1on1で対応しました。

これはとても効果がありました。
新人同士での会話がメインなのでメンター側の負担も少なく、新人たちも顔見知りが増えていく感覚があったのではないでしょうか。

オフラインテレワーク会

うちの会社は基本テレワークではあるものの、ミーティングがある日や気分転換がしたい日など、出社したい時は自由にオフィスに出社して作業をすることができます。
と言ってもオフィスに各社員のデスクは無く、フリースペースで勝手に席を取って業務をするという形態になっています。
そんな社内のシステムを利用して、みんなで出社して近くの席に座り、そこで各自テレワークをする「オフラインテレワーク会」を実施しました。
メンターは一日中オフィスにいますが新人は完全自由参加として、いつ来てもいいしいつ帰っても構わない形式でした。
オフィスには社員食堂がついているのでお昼はそこにみんなで食べに行きますし、終了後に街に繰り出して飲みにいくこともできます。
新人がみんなと交流できるだけでなく、我々メンター側も気分転換できました。
月1-2回くらいのペースで開催しましたがこれもとても良かったですね。

オフラインテレワーク会 (オフィス巡り)

前述のオフラインテレワークを数カ所の別のオフィスビルでの実施を行いました。

私の所属する会社は都内に複数のオフィスビルを保有しており、その全てにフリースペースが設置してあります。
なので、普段開催していたのとは別のオフィスビルを色々と巡ってオフラインテレワークを実施しました。
色々な場所で行うことで気分転換になるのに加えて、こういう機会でもないと訪れない場所で作業するのが楽しそうだと考えていました。

が、これは正直あまりうまくいきませんでした。
これを実施したのが1月や2月で、新人たちも少しオフラインテレワーク(あるいはメンター活動自体)に飽きてきたのか出席率が下がりつつあり、さらに新型コロナウイルスの感染状況も悪化して中止が相次いでしまったためだと思われます。
家から遠いオフィスにわざわざ出社する気にならなかったというのもあるかもしれませんね。
何度か試した後で最終的にはいつも開催しているオフィスに戻ってきて、以降はそこでの実施を継続することにしました。

雑談会

先述したように1月2月において新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて何度かオフラインテレワークが中止になりましたが、その時に代わりにオンラインで1時間程度の雑談会を設けました。
これも新人は完全自由参加での実施でした。
メンター側としても、やってきた新人たちとただ喋るだけの会です。

人が全然来ないかなと思っていたのですが毎回何人か来てくれて、とても良かったです。
それまでに信頼関係が築けていた分もあったかもしれませんが、「ちょっと皆と話すかー」と思えるくらいの関係性を作り上げることがこの活動の目標だったので、それを実現できていることが分かってとても良かったです。

月一のつどい

1on2と並行して、月に1回1時間ほど全体で集まってイベントをしました。
このイベントではアイスブレイクとなるようなゲームをメインで実施していました。

2つの嘘と1つの真実

顔合わせ会の1ヶ月後、2回目の全体で集まる機会です。
この時は自分に関する嘘の事柄を2つ、本当の事柄を1つ上げ、どれが本当か当てるという「2つの嘘と1つの真実」というゲームを実施しました。
例えば次のような感じです:

  • 親と誕生日が同じ。
  • 生徒会長だったことがある。
  • 大学時代に3つのアルバイトを経験した。

この中で真実は1つだけで2つは嘘であり、回答者はどれが真実なのかを当てます。
ただし、出題者に対する質問は行えません(深く突っ込まれると嘘がすぐにバレてしまうため)。
出題者と回答者は交代制とし、出題した人が次の回答者になるという形で8人で回しました。
回答者でなくてもそれぞれ考えるのが楽しいですね。

元ネタは「2 truths and a lie(2つの真実と1つの嘘)」というゲームです。
元ネタでは真実が2つで嘘が1つなんですね。
この元ネタに変更を加えて真実を1つにして嘘を2つにしたのには理由があります。
まず、嘘を適当にでっちあげる方が簡単だからです。
また、真実を一つにすることによって話の筋道がぶれることがありません。
大抵は皆自分の渾身のエピソードを持ってくるので、正解を言った後に「このエピソードについて話したい!」と思えるため、会話が弾むと考えたからです。
全員が参加できて、その人となりも良く分かる、かなり良いゲームでした。

聞き込み推理ゲーム

「2つの嘘と1つの真実」から1ヶ月後、1on2もペアの組み合わせが一回りしてお互いの人となりが分かってきたかなというタイミングで実施したのは、「聞き込み推理ゲーム」です。

こちらは唯一の対面で実施したゲームです。
メンバー間のコミュニケーション必須で、みんなで協力して犯人を推理するゲームです。
私が一人で考えた完全オリジナルゲームで、90分間を使ったとても楽しいものとなっています。
このゲームを作るに当たって私が設定した条件は次の通りです:

  • 参加人数が1人から5人にまで対応していること。
  • オンライン、オフラインどちらの実施にも対応していること。
  • メンバー同士の協力が不可欠で、積極的に会話をしないとゲームが進まないこと。
  • 60分から90分の間に収まるようにする事。
  • それなりに頭を使う必要があり、面白いこと。

これらを全て満たすように設計してあります。
具体的なゲームの詳細については別途記事にしようと思いますが、とても盛り上がりました。
聞き込み推理ゲームの詳細について書きました。

他グループとのコラボつどい

このメンター活動は複数グループで展開されていたため、後半の方では月一のつどいに関してせっかくなので他のグループとのコラボをしよう!という話になってコラボしました。
これは、マンネリ化を防ぎつつグループ外の人たちとも交流を持とうという意図がありました。

ito

「ito」はボードゲームの一種であり、参加者それぞれにランダムに与えられた数字を、テーマに沿ったもので例えて表現することで順番通りに並べ替える、という内容です。
参加者にはネット上の適当な乱数生成サイトで乱数(1から100までの範囲)を一つ生成してもらい、その数字を使って並べ替えを行います。
運営側で数字を指定しても良かったのですが、乱数生成からやってもらう方が楽しいだろうと思いこの形式にしました。
ゲームは2回行いましたが、テーマはそれぞれ定量的なもの、定性的なものを用いて行いました。
具体的には次の二つです:

  • かたいもの(0がやわらかい、100がかたい):定量的
  • 好きな寿司ネタ(0が嫌い、100が好き):定性的

当たり前ですが定性的なテーマの方が難しく、盛り上がりました。
定量的なテーマの方も、あえて「かたいもの」とひらがなで書いておいたところ「インスタのパスワードくらい」などという意見も出てきて面白かったです。
かなり盛り上がって良かったです。

自己紹介しりとり

コラボ相手のメンターが仕切ってくれたゲームです。
内容は完全にこのサイトのままで、メンバーの名前でしりとりをしながら順番に自己紹介をしていきました。
メンバーの意外な一面が発見できて良かったです。

アプリ並び替えゲーム

アプリを14個提示し、それらがリリースされた順に並べ替えるというシンプルなゲームです。
ここで登場したアプリは、全員が知っているような有名なもので固めました:

モンスト、LINE、荒野行動、ポケ森、Facebook、Tiktok、Twitter、パズドラ、Pokemon Go、Instagram、メルカリ、SNOW、YouTube、ツムツム

これらのアプリを参加者は全員知っていましたが、リリースされた順番で並べ替えるのはとても苦労していました。
(この記事を読んでいる皆さんにとっても難しいかもしれませんね。)
「知っている、けど分からない」というラインに設定することで面白さがアップすると考えて実施してみました。
(模範解答作成にあたってはWikipediaの情報を参照しました。)
「自分が10歳の頃にはすでにあった」「自分が中学2年生の時に初めて使った」などといった会話が繰り広げられ、とても盛り上がりました。

卒業式

9月にこのメンター制度が始まってから半年後、翌年3月の末に最後の活動と称して「卒業式」を行いました。
と言っても30分程度の短い枠で、今までの活動を振り返りながら軽く雑談をして終わりました。
新人に半年間の感想を聞いてみたところ、「このメンターグループで良かった」「とても楽しかった」と口々に言っていて、やってよかったなあと思いました。
こちらとしてもみんなが仲良くなってくれて嬉しい限りです。今後も別の現場で会った時に気まずい感じにならないようにはなったかなと思います。

まとめ

月一のつどいを全員参加とし、これを軸にしながら1on2で個別にアプローチをかけて、オフラインテレワークと雑談会で手応えを確認する&より仲を深めるという運用を行いました。

結果として、トータルですごく上手くいったと思っています。
我々以外のチームの状況なども時々聞いていたのですが、「月一でオンラインで一時間集まるだけ」とか「半年間特に何もしてない」といったチームも複数存在して、そうはなりたくなくて頑張った自分としてはとても良かったなあと思いました。

そして何より嬉しかったのが、最後の卒業式に全メンバーが参加してくれたことです。
それ以外の活動は最初の顔合わせ会を除いて、各メンバーの業務都合によりどの会でも全員揃うことがありませんでした。
(と言っても毎回違うメンバーが一人来れない、程度でしたが。)
しかし最後の活動ということで皆都合をつけてくれた、これは言い換えると「少し無理をしてでも参加したいと思ってもらえるようなコミュニティに育て上げることができた」ということであり、つくづくメンター冥利に尽きるなあと思いました。

もちろん新人だけでなく、一緒に活動してくれた他2人のメンターにもとても感謝しています。
ありがとうございました。

おわりに

アイスブレイクのアイディアと、これらを選んだ理由について記述していきました。
誰かの参考になれば良いなと思います。

個人的にはそもそも、出社できないことは「可哀想」なことなんだと上層部が思っていることにすごく違和感があります。
まあ今の中堅・ベテランの人たちの感覚だとそうなっちゃいますよねー。
私なんかむしろ、以前までは(家で業務ができるのに)週5で毎日出社してたなんて何て「可哀想」なんだろうと思っています、言いませんけどね。

今回は以上です。

タイトルとURLをコピーしました