応用情報技術者試験に1ヶ月半で合格した話(開発経験あり)

技術

こんにちは。ざわかける!のざわ(@zw_kakeru)です。
今回は私が応用情報技術者試験に1ヶ月半かけて勉強し無事合格した話を書いていきます。
この方法で誰でも受かるよ!という内容ではなく結構限定的なパターンだと思いますので、そういう層の人たちに届けばいいなと思います。

私のスペック

運営者紹介にも軽く書かれていますが、受験当時の私のスペックを記述しておきます。

  • 大学で情報系の学部に入学し、一年生からプログラミング及び情報科学の基礎の勉強を始める。
  • そのまま大学院に進学し、DeepLearningによる画像解析をメインに研究を行う。
  • 在学中に国内&国際で、学会発表およびシステム開発を行う。
  • 日本のIT企業にSEとして就職、社会人一年目の秋に応用情報技術者試験を受験する。

アルゴリズムやネットワーク、データ構造などの基礎知識は大学の授業で4年間かけて学び、開発経験も多少あった、という前提で受験しました。

この記事を書いたモチベーションとしては、全くの無勉強から合格する話は調べるとすぐに出てくるのに対し、既にそこそこ知識はあるけど試験のための勉強は全くしていないという人たちの話は全く出てこなかったので、そのくらい(私くらい)のレベル感の人に参考にしてもらいたいというものです。
おそらく社会人3〜4年目くらいの、基本情報をすでに取得していて応用も取ろうかなーと考えている人が大半だと思いますが、そのような人は我々のような大学の授業で基礎からしっかりと学んだ人たちがどのような感覚で合格を勝ち取っていくのかを見ていっていただけたらなと思います。
ではいってみましょう。

受験動機と合格戦略

私が今回応用情報を受験しようと思った動機は「会社から受けろと言われたから」、という一点のみでそれ以外に理由はありませんでした。
一般的には基本情報を取ってから応用情報を受けるのが正しいのだと思います(実際に会社からもそう言われました)が、二回も試験を受けるのがめんどくさかったので最初から応用情報を受験することにしました。

正直モチベーションは地の底でした。
受けたくないなー(しかも自腹。。。)と思いながら受ける試験となると、必然的に目指すは最低限の努力による超低空飛行での合格
結果、「午前60点、午後60点」を取れるギリギリの労力だけを割いて合格をかっさらうことを目標に据えました。

分野の整理と作戦

応用情報の合格条件は午前問題で60/100点、午後問題で60/100点を取ることです。
これを達成するための戦略を考える必要があります。
出題分野の項目を軽く記しておきます。まず午前問題に関して。

テクノロジ系(配点:62.50点):
基礎理論、アルゴリズムとプログラミング、コンピュータ構成要素、ソフトウェア、ハードウェア、ヒューマンインターフェース、マルチメディア、データベース、ネットワーク、セキュリティ、システム開発技術、ソフトウェア開発技術
マネジメント系(配点:12.50点):
プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査
ストラテジ系(配点:25.00点):
システム戦略、システム企画、経営戦略マネジメント、技術戦略マネジメント、ビジネスインダストリ、企業活動、法務

このうち、私はテクノロジ系はすでに既知の内容がほとんどであり配点も最も高いことからここで如何に点を稼げるかがカギであると考えました。
そうは言ってもさすがに完答は現実的ではないので50/62.50点を目標としました。

マネジメント系ストラテジ系はほとんどが初学であったため、知識のインプットに時間を費やして、単純に「覚えたら点が取れる」問題を落とさないことを目標にしました。
そうすれば少なく見積もっても15/37.50点くらいは取れるので、テクノロジ系と合わせて65/100点で合格を狙いにいく戦略を立てました。

続いて午後問題。

経営戦略、情報戦略、コンサルティング、システムアークテクチャ、ITサービスマネジメント、プロジェクトマネジメント、ネットワーク、データベース、組込みシステム開発、情報システム開発、プログラミング、情報セキュリティ、システム監査

この13大問のうち「情報セキュリティ」だけ必須、それ以外の12問から4つを選択して解答するという形式でした。
細かい配点はよく分かりませんでしたが、要するに5問全体の正答率が6割を超えたら良いのだろうと考え、ここでもテクノロジ系と呼べる大問で稼ぐ作戦にしました。
「情報セキュリティ」は必須なので必ず6割を超えたい、それから「プログラミング」は完答が狙える、次いで…と、この辺りまで考えましたが、幸い試験時間には十分な余裕があるみたいだったのでとりあえず全部解いて正答率が高そうな大問を上から順に提出すればいいか、と思考放棄しました。笑

勉強内容

一日何時間、などと決めて勉強していたわけではないですが、平均すると一日2時間くらいはやっていたのかなと思います。
やったことは「Udemyでの講座受講」と「過去問道場での問題演習」の二つのみです。
基本的に最初から最後までを満遍なくさらっていき、自分の知ってる話なら(あーこんな問題出るんだ)と流し、知らない話なら(待て待て、知らんぞ)と足を止めて頭に入れる、という緩急を意識して勉強をしました。

ちなみに、基本&応用情報のおすすめ参考書によく出てくる『キタミ式』は使いませんでした。理由は、そもそも全範囲を網羅的に勉強するつもりもなく、また基礎からの分かりやすい解説も不必要だったので、イラストだらけの参考書はいらないかなあと思ったからです。

勉強しながら気づいたこととしては午後問題に関して、テクノロジ系はいわゆる技術的な知識が問われるのに対し、マネジメント系とストラテジ系は知識よりも読解力の比重が大きいのかなということです。
この二系統は問題文をよく読み解き、テクノロジ系の知識と一般常識、それから法律に照らし合わせたら解ける問題が多々ありました。
そのためあまりインプットに捉われずに過去問を解きながら慣れていったら良いのではないかなと思います。

Udemyで講座受講

これですね。
私が受講したときには、セールとか何やかんやで無料だったのでこれでやりました。
全部見てると約54時間というとてつもない時間がかかるので、講義パートのみ、自分が知っている部分は飛ばしたり倍速で観たりして、反対に知らない話が出てくると一時停止して確認しました。
特に、知財や企業戦略、プロマネなどは全く知らなかったので、その辺りは丁寧に観ていきました。
試験範囲が一通りまとまっており、過去問演習と解説もやってくれているので初心者の方もこれを順番に観て勉強すると良いのではないでしょうか。
ただ説明スピードは割と速く、それでいて約54時間あるので実際にゼロから勉強するとなると100時間以上は確保することになるでしょう。

過去問道場

情報技術者試験を受験する人が100人中100人がお世話になるサイト、『過去問道場』です。
私も例に漏れず、ここで過去問の演習を行っていました。
分野別、年代別の出題設定も自由自在で、自分の勉強が足りていない部分をピンポイントで学習できます。
素晴らしいサイトですね。
勉強中に問題解説を読んでいると誤りを見つけたのでそれを掲示板に書き込んでおいたら、翌日には修正されていて驚きました。

勉強スケジュール

試験2週間前まで

前述のUmemyの講座をひたすら受講していきました。

試験前日まで

午前問題に関しては、ひたすら過去問道場での問題演習を積み重ねました。
分野は絞らずに、全範囲からのランダム出題にしていました。
過去問道場は通算の正解率が出るので、それが60%を超えるくらいになるまで訓練しました。

午後問題に関しては、直近2回分の過去問を解いて採点をしました。
選択問題も全て解答していきましたが、ここで問題発生
テクノロジ系である「ネットワーク」の問題だけは難しすぎてこの時点でほとんど解けなかったのです。
調べてみると「ネットワーク」は午後問題の中でもずば抜けて難しく、勉強の労力に対する成果が産まれにくいということでした。
なので「ネットワーク」はここで勉強自体を放棄しました。試験当日にも問題文を読んですらいません。

試験前日

試験前日は、明日の試験開始直前まで眺めることができるカンペを作成しました。
A4の用紙に、「まだ頭に入っていないけど文字を見たら内容を思い出せる単語」を順番にびっしりと書いていきます。
これを作る際に全分野の全範囲をさらうので、「これ以外の項目は大丈夫だ、これらの項目も試験直前に確認すれば大丈夫だ。」という安心感を得られるので私は試験を受けるときはいつもこれを作成します。
ピックアップした単語は合計50個くらいでした。
これを明日の試験の準備はバッチリです。

試験当日

試験当日はただ試験を受けて終わりました。
午前問題は、半分くらいは過去問そのまま、もう半分は初見で解けたり解けなかったりでした。
午後問題は「ネットワーク」以外の問題を一通り解いてから、「情報セキュリティ」(必須)の他に点が取れていそうな大問を上から4つ選びました。
一番自信があったのが「プログラミング」、次いで「システムアーキテクチャ」、それ以外はどの大問も似たりよったりだったので何となく点が取れていそうな「経営戦略」「システム監査」を選んで解答用紙に答えを書きました。
手応えは何とも言えない微妙なものでしたが、そもそもギリギリ合格を狙っている時点で確かな手応えなどあるわけが無いんですよね。
帰ってからも特に確認や復習などもせず、さっさと寝ました。

結果

2ヶ月後に発表された結果は次の通りでした。

合格!!
午後63点はギリギリでしたが、最低労力による最低点での合格が目標だったので狙い通りですね。
午前問題だけ文野別の得点が開示されていましたが、合格ラインの60点のうち45点をテクノロジ系で稼げていたので、ここも当初の予定通りといったところでしょうか。
ただ得点率でいうとテクノロジ系よりもストラテジ系の方が高いという…

ざわ
ざわ

まあ受かったからヨシ!

終わりに

情報科学に関してある程度知識があって開発もそこそこできる人であれば、「資格なんて取っても意味ないじゃん。」と考えているかもしれません。
私もそうでしたし、今でもそう思います。
会社で言われて取っただけですし、取ったからといって特にいいことは今のところ起こっていません。
しかし、試験を受けると決めたからには落ちたい人(「落ちたー!!ぃよっしゃああああやったぜえええええええ!!!」ってなる人)はいないと思うので、上がらないモチベーションとうまく付き合いつつ乗り越えていってほしいなと思います。
この記事が誰かの参考になればそれはとっても嬉しいです。

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