こんにちは。ざわかける!のざわ(@zw_kakeru)です。
私が新卒で日系大手IT企業に入社してから1年が経ちました。
今回は私がこの1年で果たしてどのようなことをしたのか、会社や個人が特定されない範囲で書いていきます。
大手IT企業を狙っている就活生なんかの参考になればいいんじゃないかなと思います。
書いているうちに当初の予想よりもかなり量が多くなってしまったので、前編と後編に分けてお送りします。
この前編では、上半期(9月末まで)の出来事を書いていきます。
はじめに: 2020年度入社であるということ
まず1年間の様子を書く前に、当時の社会全体の動向をある程度理解しておく必要があります。
2020年といえばお分かりのように、新型コロナウイルスが大流行して社会全体がパニックに陥り、日本でも緊急事態宣言や特別給付金(、GoToトラベル)など様々な政策が実施されました。
またハンコ文化廃止の加速やワーケーションの提案など、良くも悪くも働き方改革が進んだ年でした。
それから運営者紹介にも軽く書かれていますが、新卒時点での私のスペックを記述しておきます。
- 大学で情報系の学部に入学し、一年生からプログラミング及び情報科学の基礎の勉強を始める。
- そのまま大学院に進学し、DeepLearningによる画像解析をメインに研究を行う。
- 在学中に国内&国際で、学会発表およびシステム開発を行う。
- 日本のIT企業にSEとして就職する。
私が就職した企業はプログラミング未経験者の採用も行われており、プログラミングのプの字も知らない人から私のようにすでに数多くの開発経験がある人まで幅広い人材が集まっていました。
全従業員数は数万人、新入社員も数百人という大きな企業です。
以上を踏まえた上で、さっそくひと月ずつ振り返っていきましょう!
4月
2020年4月はコロナウイルスの蔓延により、その対応に世界中が追われていました。
私の入社した会社も例年通りにいけば一日に入社式が行われ、その後におよそ3ヶ月にわたる集合形式の新人研修があるはずでした。
しかし大混乱の中入社式は中止になり、新人研修も2ヶ月に短縮され内容もフルオンラインに変更になりました(この点は個人的には大喜びでした)。
4月1日の午前中だけ出社して社給PCを受け取り、社長が喋っている20分程度の動画を観てすぐに帰宅しました。
さて、4月の1ヶ月間は主に導入研修と称して社会人としての一般的なマナーである名刺のやり取りや電話の受け答えに関する講座をオンラインで受講しました。
例年では対面で行う講義をそのまま撮影したもので、雰囲気は東進ハイスクールをイメージしてもらうと分かりやすいかと思います。
でも(今思えばですが)結局意味があったかどうかは分かりませんね。 実際、私は入社して1年が経過した今でも一度も名刺交換をしていません(そもそも名刺を作ってすらない)し、電話も取っていません(社給スマホも与えられていません)。
また、いかにも例年は集合形式でやっていそうなグループ研修がありました。
30人ほどの新入社員を一まとまりとしたオンライン上で行われる文系チックな研修で、私ははっきり言ってやる気がなかったので、意識高い人たちに頑張ってもらいました。
あとは大企業特有の確定拠出年金とか保険とか持株会とか、自分の技術力向上に全く寄与しない研修も色々受けました。
5月
4月最後に行われたITに関する社内テストで情報科学技術レベルに応じたグループ分けがされ、5月は各グループごとにレベル別の研修が行われました。
私は一番上のグループ(最上位18人)に入りましたが、そこでの研修内容は4人または5人1組でWebアプリケーションを作成するというもので、各々が別々の機能と画面を実装して最後にそれらを合体させて一つの大きなシステムを完成させる、という流れでした。
プロジェクトリーダーを立ててタスクを切ったり、顧客役のメンターとの意識合わせや納品作業を行ったりなど、それまで個人開発が主だった私には勉強になる事柄が数多くありました。
難易度もちょうどいいくらいに設定されており、4月までの何が身についたのか分からないグループワークよりはるかに生産的で、それなりに楽しく開発をすることができました。
ただ、唯一欠点を挙げるとすればGitを使わせてもらえなかったことです。
数百人の新入社員中の上位精鋭18人だけあってメンバーはかなりハイレベルで、当然Gitの知識も私を含めた同グループの4人全員が持ち合わせていました。
が、「研修で使えるGitの環境がない」とかいう理由でGitを使うことが叶わず、仕方ないので社内の共有サーバにファイルをアップロードする形での開発となりました。
これが思った以上にストレスで、私のグループは4人だったのでまだマシではあったようですが、全員が「master フォルダにpushしといたんでpullしといてくださーい」とか「僕まだcommitしてないでーす」とか、Git用語が飛び交わせながら作業をしていました。
納期直前はメンバーによって進捗の差が開いてかなり殺伐としてしまいましたが、それでも振り返ってみるとこの1ヶ月が1年で一番充実していたかもしれないな、と思ったりします。
ちなみにこのレベル別研修、一番下の完全初心者グループに分けられた人達は基礎の基礎から皆で仲良く教え合いつつキャッキャしながら開発してたそうです。完全なる敗北ですね。
わいもそっちに入りたかった。。。
6月
2ヶ月間の全社新人研修が終了し、6月からは新人それぞれが通達された各部署、事務所に配属されていきました。
ここからは配属先や関わるプロジェクトによって一人一人やることが違うため、私個人がどんな業務、どんな動きをすることになったのかを記述していきます。
まず配属初日の6月1日、上司との顔合わせも兼ねて事務所に出社しました(2ヶ月ぶり2度目の出社)。
出社率を25%以下にせよ、というこの頃の政府の方針が守るためにほとんどの社員は出社しておらず、他の新人ともそこで初めてリアルでの対面を果たしました。
この日は上司から、自分がこれから入ることになるプロジェクトの説明とこれからの仕事の進め方についてレクチャーを受けました。
(そして翌日から再びテレワークに戻り、以降私が事務所に出社することは二度とありませんでした。。。)
翌日からは、私が配属された部署で独自の新人研修があり(というか後で知りましたが大体の部署は全社研修の後に部署独自の研修をやっていたそうです)、再びオンラインで講義を受ける日々が始まりました。
この講義形式の研修は1週間で終わりましたが、後に研修課題と称して大量のテキスト(pdf)と講義動画、学習用の開発課題(Java)が配られました。
研修担当者いわく、「各々、業務と並行してこちらも計画的に進め、9月いっぱいを目処に終わられてくれ」とのことでした。
なので結局、配属されてからも9月(上半期)いっぱいまでは研修と業務で半々くらいの時間を割く日々が続いていきました。
業務の方ではとりあえず6月はプロジェクト内容の勉強と雰囲気理解が主で、会議や打ち合わせに出席して置物になりながら、暇な時はプロジェクト資料をひたすら読み漁る、という日々でした。
私が配属されたプロジェクトは、詳細は書けませんが「顧客が持っているデータの管理システムの運用・保守」であり、すでに運用中のシステムの監視とインシデント対応がメインでした。
そこそこ大きな規模のシステムでしたが開発はすでにほとんど終わっていたためプロジェクトはそこまで忙しわけではなく、開発課題(Java)も量は多いものの私からしたら難しいと感じるものはなかったので、両方とも特に苦労することもなくサクサクと進めることができました。
また、会議や打ち合わせは全てオンラインで行われ、初めて出席した時はそこで基本的な自己紹介や学生時代の研究の話なんかをしました。
プロジェクトメンバーは皆いい人たちばかりで安心しました。
7月
7月1日に、客先に初めて出社しました。
顧客にはそれまでもオンラインの会議で会ってはいましたが、初めてリアルで対面しました。
コロナが無ければ私は毎日この客先のビルに出社してお仕事をする、いわゆる「常駐さん」になる予定だったそうですが、社会情勢を考慮して当面は週一での出社で様子見することになりました。
出社しなければできない作業(客先のVPNにアクセスしての開発など)と家でもできる作業の切り分けを行い、前者を週一の出社時に対応して後者を週四のテレワークでこなしていきました。
7月は主に自分の開発環境構築がメインでした。
客先からパソコンが与えられたので、そのセットアップと様々なサービスのアカウント利用登録、出社時はVPN経由でしか扱えない顧客の実際の生データをいじって業務理解に努めました。
それ以外の時間は時々会議に出ながら、先述の開発課題をひたすらこなしていきました。
ちなみに客先への私服出社はOKでしたが、新人なのでとりあえずこの7月だけは勝手にスーツで行っていました。
それから、月末にJavaの部署独自テストを受けました。
9月末にも同じようなテストを行い、これから2ヶ月間の研修(開発課題)でどのくらいJava力が成長したかを計るそうです。
そういうのはプログラミング初心者だけ集めて実施してくれ。。。
8月
作業内容は7月からあまり大きな変化はありませんでした。
Javaの開発課題でコードをバリバリ書きました。課題が早く終わった人はAWSやその他のIT系の何かしらの勉強をせよとのことだったのでそちらもサクサクっとやりました。
ちなみに私はやりませんでしたが、希望者には社内講師がオンラインで少人数指導を行ってくれるフォローアップ研修も行われ、就職してからプログラミングを初めた人にも優しい世界が展開されていました。
それから、英語力を上げるためにTOEIC対策講座&課題も配布されていました。
こちらは社内基準のTOEICスコアに達していない人は全員強制受講だったようですが、私は大学卒業前にすでにクリアしていたため、受講を免れました。
受講した友達によると結構な分量があり、この時期は業務、開発課題、英語とかなり忙しかったらしいです。
英語の勉強やっといてよかった。
業務の方では主に業務効率化ツールを作成しました。
具体的には、一日に約1000件送られてくる業務監視ログを解析して重要度の高いログを必要に応じてすぐに取得できるようなプログラムを作成しました。
ちなみに言語はPythonを使いました。
ひと月あってやったことはそれくらいで、お盆休みのせいで業務の方はあんまり進みませんでした。
(学生時代は休みなど関係なく毎日研究室に通っていたため、休みがあるということに違和感バリバリでした。)
9月
9月も先月とほぼ同じ内容、業務配分で作業を行いました。
先月中に開発課題は全て終えていたので、10月に受験を控えている応用情報技術者試験の勉強をメインでやっていきました(詳しい記事はこちら)。
業務では、Pythonを用いてデータベース設計書の自動生成を行いました。
運用中のシステムで動いているSQLスクリプトからテーブル名やカラム名などを抽出し、顧客がExcelで持っているデータベース設計書のフォーマットに当てはめていくという作業です。
変換を頼まれたファイル数は約400。
最初に頼まれた時は、「一日20枚やれば3週間くらいで終わると思うよ〜」と言われ、ふざけんなと思って普通にプログラムを書いて自動化してやりました。
…自動化したのはよかったんですけど、最初これを手作業でやる前提で渡してきた上司が理解できませんでした。
私が新入社員だからかな。私の技術力はこの2ヶ月である程度把握してたと思うんですけど。。まあいいや。3日で終わりました。
そして9月の最終日に、再びJavaの部署独自テストを解きました。
内容は7月末に受けたテストと少し違いましたが同等レベルのものでした。
2ヶ月前から点数が全く上がっていませんでした。
私の研修に対するやる気の無さが如実に現れた結果となりました。。。
ぴえん。
終わりに
前半終了です。後半はこちらとなります。
後編は下半期(10月始めから3月末まで)の様子と、1年経っての会社に対する私の感想を述べていきます。
もっとこみ入った話が聞きたい方はこのサイトの問い合わせフォームや私のツイッターなどで個別に連絡してもらえたらなと思います。
今回は以上です。